ラビリンスは楽しむためのもの。

一月近く、ラビリンスに迷い込み・・・どうしても気に入ったお顔が出来ず、何十個と仕上げの直前までお顔を作ってきたことでしょう。
更年期障害かなとか、スランプかしらとか・・・・思いつつ、でも、やっぱり何かを探し始めている時期は成長の証だと、しつこくあきらめられずにまた妥協もやめて・・・・完成した形を壊し・・・・ちょっと気力と体力の限界も感じていましたところ、
「ラビリンスを楽しめばいいのです・・」と今朝、美しい声が聞こえました。このお言葉は何よりもの大きな光となりました。いつも支えてくださりましてありがとうございます。

この辺で、やっと、作りたかったお顔が出てまいりましたので、焼き上げて、そして水やすりで磨き上げました。

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作りながら魂が安らぐ・・・眠った子供のお顔。この子は皮のボディと球体の部分関節で仕上げて、くったりしたリアルな抱き心地なのに自由な寝相ですやすや眠る作りに挑戦してみようかなと思います・・・。

明日の色付けとまつ毛を埋め込む作業が今からわくわく・・・・。ということは、結構気に入ったお顔です。

ところで・・・私の好きなジョン・エヴァレット・ミレーの作品の中に、眠った女の子のドラマティックな一枚の絵があります。

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この絵は「連隊の子供」という題名で・・・・少女は腕を怪我しているように布が巻かれていて、大きな軍服が毛布の代わりに掛けられています。でも、少女の寝顔は安らかで、安心していて、ちょっと微笑んで楽しい夢を見ているように思えるのです。
この絵は『連隊の娘』(れんたいのむすめ、La fille du régiment;ガエターノ・ドニゼッティが作曲した全2幕からなるオペラ・コミック)を題材にミレイが描いたそうで、この少女は両親と生き別れ、フランス軍の連隊に育てられたマリーと言う子だそうです。

この子の安らかな寝顔はきっと、戦場に出かけていく兵士達の心を何よりも勇気付けたことでしょう。

by ekadantaya | 2013-05-23 17:57 | Trackback | Comments(0)