赤ん坊の6ヶ月目の儀式・・そして4人兄弟の話。

 今日は去年の12月20日から数えて・・・16日目で・・初めて粘土に一回も触らなかった日。
主人のいとこの赤ちゃん・・メヒーラちゃんが6ヶ月の儀式の日でありました。

昨日まで約一週間、近所の女性達が毎日家に集まって供え物を作り・・・私は人形を作っていましたが、昨日は男達の出番が来ました。
男達の出番の最初は・・どの儀式でも同じですが、まず殺生・・・・。
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供え物になる動物を苦しむことのないように絞めるのが・・男の技。
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そして儀式のための料理も・・・男達の仕事。
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そして・・子供達はその間楽しくご機嫌に遊びまわっているのが仕事。娘はもう大好きなお仕事・・ベビーシッターに朝から晩までご機嫌です。
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そして、出来上がった供え物をおばあちゃんや近所の主婦が手際よくセッティングして・・・プーマンクー(僧)を待ちます。この時間が長~いのです。今日は約3時間・・待ちました。
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やっと到着したプーマンクーと共に始まった儀式は・・・雨を呼び・・・
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どんどん土砂降りになって・・雷まで轟き・・・停電まで・・・・
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子供達やお母さん達そして大事な供え物を土砂降りの雨から守るために・・お父さん達はずぶぬれでビニールシートを広げ・・守ります・・すばやい機動力が男達の日ごろのチームワークで活用されます。
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そして、無事、メヒーラちゃんは赤ん坊として最後の儀式・・・6ヶ月の儀式を終えました。
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ここで、今日は出生にまつわるこちらの世界観・・・私の一番好きなヒンドゥの考え方なのですが、4人兄弟のお話を載せてみます。
これも、私が記録した文章の中から・・・人間の誕生は・・・実は一人で生まれて一人で死ぬのではない・・という・・お話を。

{ バリ・ヒンドゥには独特の生命誕生理論がある。人間というのは、一人で生まれてくるものではない、というのだ。見えないもう4人の兄弟(姉妹)と一緒にこの世に生まれて来て、名前まである。生まれた時には生命を持たないが体まである。
一番先に生まれるのが、アンガ・パティ(破水した時の羊水)2番目にバナス・パティ(血液)そして本人が
人間の体で生まれ、次にムラジャ・パテイ(胎盤)最後にバナスパティ・ラジャ(その他、後産)の順で生まれるので肉体を持った人間として生まれた当人は3番目の子、上に二人の兄(姉)がいて、下にも二人の弟(妹)
がいる。
その見えない兄弟は霊として人間が死ぬまで付き添い導くという。しかし、その4人兄弟には人間的な不完全さがあって、真ん中にいる人間が上の兄達の言う事を聞かずに下の弟達を正しく教育出来なければ、多重人格者のように自己分裂が起こり持っている可能性も力も出せない。
これは人間の中にある上層の超意識に繋がる深い知恵と思慮の精神、そしてより低い部分にある自己の動物的な欲望や感情とが一つに繋がった時に人間の能力が最大限に開かれる、というヒンドウ哲学に沿った理論で、生き生きとしたリアリティがあり思わず私の上に天使のように4人の赤ん坊が飛び回る様子を想像してしまう。
人間は生まれる時から一人で死ぬ時も一人で死んで行く、という常識はここでは全くナンセンスである。しかも、魔法使いの秘密もここにあるのだ。
魔法を使うには、この4人兄弟と固いチーム・ワークで結ばれていなくてはならない。
瞑想を通して天と地に繋げるのはそれぞれの兄弟達であって、日ごろから常に関っていないとそのチーム・ワークは育てられないため、食事の前には4人兄弟に先に食べさせる。
「アンガパティ・バナスパティ・ムラジャパティ・バナスパティラジャ、どうぞお先に召し上がりください。私はその後頂きます。」もしも、食堂で食事の前にぶつぶつ言ってなかなか食べ始めない人がいたら、魔法使いの弟子かもしれない。
 魔法使いではない普通の人々も、生まれた時から6ヶ月までの赤ん坊の儀式やその他必要な時に供え物をして4人兄弟を祭る。危険や病気から精神と体を守り、知恵と力を与えてくれるようにである。
自分自身が見えない外の4人兄弟に守られていることを常に意識していると、聞こえぬ保護天使の声が心を導いてどんな時でも状況に迷わされず冷静で落ち着いた判断が出来るようになる。
 子どもが生まれると、父親は胎盤や後産をビニール袋に入れて、どんなに遠くからでも真夜中でも家に帰って決められた場所に埋めて竹のサンガを立て、供え物と御香で祈るまでは、出産は終わった事にならない。}
(風の丘より)


こんな考え方は、私の中ではもうファンタジーのように定着し、いつでも自分の周りに小さな4人の赤ん坊の姿の兄弟が天使のように飛び回っているような・・楽しい気分がします。

そして、ここでは出生の神秘・・人間の一生の不思議を赤ん坊の存在に見出し、6ヶ月までの儀式を大変重要に行うのです。
赤ちゃん達は・・・しゃべることが出来るまでの間は・・実は色々と見えない世界についても・・詳しく知っているような気がします。

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by ekadantaya | 2010-01-04 20:34 | Trackback | Comments(0)