アバビ村に帰ったとたんに、大きな儀式の真っ只中。

いつものように、空を飛んで、


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一昨日、アバビ村の自宅に無事到着しました。

帰ってきたら、1年に一度の大掛かりな家の寺の儀式の前夜。
大勢の親戚や村人が集まっていて、とりあえずトランクの整理も後回しで人々の中に入って準備や接待に走り回り・・・次の朝は午前3時に母屋で始まる豚の丸焼き作り・・・・。
次々集まってくる屈強な村の男達にコーヒーとお菓子を振舞う係りです。

親族の子供達はこの豚を屠る過程を見たくて3時に起きて目を輝かせています。

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子供達よりずっと大きな豚さんが2匹。 一匹は観念したように目をつぶり、もう一匹が死ぬのはいやだと泣き叫びながらもがいている様子は・・・日本の人が見たらどうだろうか、西洋人なら猛烈に怒ってグリンピースを呼ぶんじゃないだろうか・・・と思うくらいに残酷な様子なのですが、赤ちゃんの時から繰り返しこれを眺めている子供達は、かわいそう~死ぬのはいやなんだね~~と言いながらも、冷静。それでも、自分の息子や従兄達に、この豚を屠ることが出来るのだろうか・・・と思うと、あまり確信は持てなくなってきます。きっと、業者にお金を払って豚の丸焼きにしたものを供え物用に買うようになるんではないかな、そうしたら、バリ島の伝統の文化、一緒に重労働をしながら大きな全体のための絆を自然と人と神々が深めていく・・と言うことの意味も違ってくるんじゃないか、日本みたいに、子供達はお肉の塊と可愛い豚さんが同じものとは信じられないという現実感を持つようになるんじゃないか・・・なんてちょっと考えながら忙しく働いていました。


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何週間もかけて、女性達に用意された供え物。これらもおばあちゃん達の世代しか、完璧に知識を持って作ることができなくなっています。やっぱり、注文して出来合いの供え物セットを買うパターンが増えてきている。 
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あっという間のことなので、いつ豚さんが死んだのかは分かりませんでしたが、
気が付くと、それはもう凄まじい死体の解体作業・・・主人の弟の嫁カデがふと、コージ(外科医になった主人の従弟)のすることとまったく同じね。とつぶやきました。
そう、おなかを切開して入っているものは人間と殆ど代わりがありません。
じっくりと子供達が見学しています。
これはもう、学校でするどんな勉強よりも、実際にこの世界の現実を理解する体験です。
さっきまでいたあのかわいそうな豚さんはもう、このお肉や内臓の中には入っていません。
見えないけれど、どこかに飛んで行ったような、そんな気配はしていました。
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いつもは、女性達よりちょっと控えめで、優しくて、情けないお父さんみたいな村の男達も、このときばかりは大変に潔く手際よく、丁寧に愛情を込めて、解体し、綺麗に洗い、それぞれの部分を分けて行きます。

そして、4時間ほど椰子の炭火の上でゆっくりと回されて焼きあがった豚の丸焼きは、神々へ捧げる最高のsな獲物となりました。

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豚の丸焼きが出来上がる前に、私とカデは村の結婚式に出席するために近所の主婦達と正装をして朝早く出かけました。

うちの大きな儀式と同じ日に結婚式を挙げたのは、カトッ、タルサンというあだ名の青年です。
ただでさえゴリラのようなお顔なのに、お化粧をされているので、もっとごつい顔になっているので、乗せたくなかったのですが、まあいいや。幸せになってね。

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奥様になってくれたのは、村の中ではまあとっても美人な女の子。天国のお父さんもきっと大喜びしているわね、タルサン。

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この地方の結婚式は、まずお茶とお菓子を出されて、長い間周りの人々とおしゃべりをして待つこと1~2時間、用意が出来てから案内をされ、ムギボンという形式で車座になって一つのお盆からみんなでご馳走を食べる、という形式です。
みんなでおしゃべりをしながら食べていると、スパイシーな豚肉料理が大変美味しくてついつい食べすぎてしまうのですが、せっかくのダイエットが台無しにならないように・・・小さくつまんでゆっくり食べることにしました。

近所の主婦同士で歩いて帰ると、豚の丸焼きがすでに仕上がって、供え物も寺に飾られて、準備が出来ていました。




本家だけにあるマクサン(一族の寺)の一年に一度の大祭です。
ご先祖達や神々に捧げる祭り。
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プーマンクー(平民僧)も来て、儀式が始まったのが午後3時ごろ。
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昨日の豚さんではなくて、聖なるバビグリンが2つ堂々と供えてありました。
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果物の塔。
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ゴージャスな人々が続々と供え物を頭に乗せて集まってきました。
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おばあちゃん達にとっては、みんな、赤ちゃんの頃から知っている顔ばかり。
20年ここに暮らしている私も、そんなおばあちゃん達に近くなってきました。
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この巨大儀式を指揮するわが姑、ワティばあちゃん。

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ここでも、プーマンクーが儀式の準備を整える間に長い時間を待つので、眠い人も大勢出てきます。
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私も実は眠くてたまらない。飛行機では寒くて一睡も出来なかった上に、夕べは3時に起きて働きっぱなし、歩きっぱなし、おしゃべりしっぱなし。
でも、唯一眠くならない方法は、おしゃべりし続けることです。
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さあ、祈りのための準備も終了し、
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始まりました、待ちに待った、聖なる祈りの時間。
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お祈りが終わって、聖水を頂き、みんなが立ち上がると同時に、一匹のバビグリンは運び出され、解体されます。
みんあで美味しく豚の丸焼きを食べながら、供え物のお下がりの果物やお菓子を食べて団欒する時間です。

子供達も庭で遊び始めました。

私はこの時間が、大好き!

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シノと一番の仲良しは、向かいのジャヌールの3男坊、シノと同じ4才のコマン。
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お祈りの時までじっと寺で良い子に待ったものですから、開放感で生き生きしている子供達。

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後ろ隣の賭博師ニョマン・スカの賢い奥さんと娘。
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カスカラの下の娘はいつも大変マイペース。
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そして、その日はもうお風呂に入ってちょっと横になったとたんに前後不覚で眠りに落ちてしまいました。
夜はまだ母屋で沢山の人々が集まって、パ・サヴァ経ちと主人とお酒を飲んだり和んでいたようですが、私は気が付いたらお化粧も落とさず寝ていたことに朝になって気が付きました。
朝5時に朝食を作るために、母屋のおばあちゃんの台所へ卵をもらいに行ったら、弟嫁のカデはもう寺を掃除し始めていました。
朝食を作り、娘が学校に出かけて、私は庭を掃除し、母屋に行って後片付けを手伝いました。
近所の主婦達も再び集まってきて、プーマンクーもきました。
ムニンパンという締めくくりの儀式です。
シャワーを浴びて、正装をし、今日は少人数でお祈りをしました。
その後に、もう一匹のバビグリンと全ての供え物の片付けです。
バビグリンは解体して、隣近所におすそ分けをし、とても良い部分はおばあちゃんが絵美のためにさっさと切り分けてくれましたので、冷蔵庫に。
何個もの大きな籠にいっぱいになったお菓子や果物・・・そして主人が朝から料理してくれたバビグリンのペサン(スパイスを混ぜ細かく切った豚の丸焼きの肉をバナナの葉っぱで包み、蒸した料理)を作ってくれて、近所の主婦達も大喜び。手に手に果物やお菓子、豚の丸焼きの切れ端の入った大きな包みを持って帰っていきました。

さあこれが、私の日常。 ・・・・今の日本から見たら、まったくの別世界。本当に異次元ではないだろうか・・・と、思えるほどに違う世界。でもこれが、私の家です。

さて、日本にいたときに、ジャカルタの航空大学にいる息子がLineでこまめに連絡をくれて、
2年生に進級した喜びを伝えてきてくれました。

そのときに送ってきた写真を少し。

お友達と一緒に夕焼けの移る池のような場所にたたずむ後姿・・良く見たら、耳の大きいほうが息子ですが、少し太ったかな?
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う~ん、やっぱり先月帰った時よりもほっぺがふっくらとして、太ったみたいです。

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息子は2年生になって、新入生のお世話をする役目を頂き、バッジも沢山増えて責任ある立場に選ばれたそうで、それが大変嬉しいのです。
1年生の時の不自由さから抜け出して、今度は1年生に頼られる先輩となって、数々の特権を持つことを許されたわけです。
まずは、携帯を持ってよいこと。1年生には許されませんので、何か用事のあるときには担当の先輩にたのんで家族と連絡を取る、ということになります。息子も可愛らしい女性の先輩に沢山お世話になりました。
それから、食事の時にも一斉にではなくて、自由に食べてよいと言うこと。
買い物も自由。去年は先輩がしばしばお菓子を買ってきてくれたそうです。こんどは彼が1年生のために4時前に起きて起こしてまわり、お菓子も買ってあげて、優しくお世話をする先輩になった欲しいものです。

でも、一番嬉しいことはもう一つあります・・・・

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髪の毛を、頭のてっぺんだけ1センチほど伸ばして良いことです。

このように、一年生はピカピカ光るスキンヘッド。 


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さあ、それでは、また私も一年、新たな気持ちでお人形もじっくり取り組んで行こうと思います。

まずは明日、日本から持って帰ってきた妖精のお顔を仕上げてみましょう。




































by ekadantaya | 2016-10-27 19:30 | Trackback | Comments(0)

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