カムパネルラの旅立ち。準備完了。

ようやく、待っていた金具や蝋引き紐がとどいたので、サスペンダーも、靴紐も仕上がり、これでカムパネルラの衣装の全てが仕上がりました。
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小さなサスペンダーは革で作りました。
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カムパネルラ君は、心から楽しみにして待ってくださっている方の元へと、出発の用意です。


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・・ジョバンニとカムパネルラは列車の旅の中で色々な不思議な出会いを繰り返し、途中で乗車してきた、客船が沈没してしまって天国へ行く途中の裕福な幼い姉弟と、その家庭教師をしていた青年に出会ったときにある切ない衝動を感じました・・・

 ~そこらから小さないのりの声が聞えジョバンニもカムパネルラもいままで忘れていたいろいろのことをぼんやり思い出して眼めが熱くなりました。
(ああ、その大きな海はパシフィックというのではなかったろうか。その氷山の流れる北のはての海で、小さな船に乗って、風や凍つく潮水や、烈しい寒さとたたかって、たれかが一生けんめいはたらいている。ぼくはそのひとにほんとうに気の毒でそしてすまないような気がする。ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう。)
ジョバンニは首を垂れて、すっかりふさぎ込こんでしまいました。
「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠とうげの上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」
 燈台守がなぐさめていました。
「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」 青年が祈るようにそう答えました。~
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~「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙なみだがうかんでいました。
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。
「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。
「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧わくようにふうと息をしながら云いました。~(「銀河鉄道の夜」宮沢賢治)・・より~
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本当の幸い、とはいったいなんでしょう?

今週は、朝も夕方も、丘の上の家を掃除に通っていました。
屋根もすっかり出来上がって、まだ色々と作り直したりする箇所は残っていますが、取りあえずは安泰。
来週から小さな子供達が絵を描きに来れるように、床掃除と窓ガラス磨きをしました。
屋根をはずしたその夜に大雨が降って家の床が泥水だらけになってしまったので、乾いた土は何度モップをかけてもまだまだ白く残って、ついに水をぶちまけてブラシでごしごしこすらなくてはなりませんでした。
でも、3日間で何とか、元通りの姿に戻り、2日間かかって窓を水晶みたいに透明に磨き上げ、ソファも元の位置にスタンバイ。来週は窓のフレームにニスを塗って、カーテンもつけてしまおう。
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丘の上でかわいらしい子牛にあいました。
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by ekadantaya | 2016-01-20 15:11 | Trackback | Comments(0)