2人分のおみ足完成。ディクサ氏の大きな光。銀河のような木版画。

16日の月曜日に杏里ちゃんが帰国し、
昨日18日にパ・ディクサ他2名のンガベン(葬儀の祭りとでも言いましょうか・・・死者たちの魂をお送りする祭りです)
を終えて、ようやく今朝は落ち着いてブログをアップする時間が出来ました。

まずは、8日間も、一人でアバビ村の丘の宿に滞在してくれた美しいお姫様みたいな杏里ちゃんがいる間にも、こつこつ作業をして仕上げた2人分のおみ足。
どっちが男の子でどっちが女の子だかは、足の置き方で差をつけてみました。
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腰部分は今日から革で作成しますが、バランスを見るために置いてみる・・・。
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カムパネルラ君は身長が約42cmほどになりますね。エルフ姫は40cmか41cmほどになるのではないかな、と予想されます。
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カムパネルラ君の瞳の位置をほんの1ミリくらいしたに移動させました。もっと穏やかで優しい目になったと思います。髪形はまだそのまま。
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大きな2人も腰部分を完成させて全体が繋がってから、小さな2人にお洋服を作り始める予定です。
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ところで、昨日のンガベンは、炎天下の正午にクライマックスが始まり、村をガムランの楽隊と共に死者たちの魂を乗せるみ越しを担いで人々はkuburan(人生の終着駅と呼ばれるアバビ村の葬儀広場)へ集まりました。
儀式が始まってから、さまざまな複雑な工程を通り、高僧が2名荘厳にマントラで儀式を進行させていく中、人々はそれぞれ好き勝手に座ったりお話をしたり、買い食いをしたり、賭け事までやったりしながら、平和でのんびりしたひと時を過ごします。
正午から夕方4時まで、遠く外国から帰って来た息子たちや、親戚たちも加わって、日ごろあえない懐かしい人々にも会え、故人たちの愛の大きな光に包まれて、親族・友人、特に小さい子供や老人たちにとっては、光り輝くゴージャスな楽しい時間。死後、人間の宝と言うものはこうやって地上に残る愛しい人々の笑顔になるのだろうと・・・私はここでいつも実感します。
写真はスマホで画面は粗いのですが、そのほうが、昨日のあの灼熱の太陽に負けない涼やかな森を抜ける風や人々の幸せな笑顔が写っている感じがしますのでただただ沢山アップします。
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ガムラン(アンクルン)の素晴らしい演奏の休憩時間、演奏者が席を立った隙に子供たちが楽器をたたくのですが、それがまたとても上手で・・・ビデオにとってみたのですが、PCに移したら画像が横になるのでアップできない・・・・・。今度からスマホで撮る時には横にして取ります。
パ・ディクサはそろそろ60歳に手が届くくらいの年齢ですが、本当に元気いっぱいで、いつでも頼もしい隣人として助けてくれました。会うたびに大きな体から人懐こい笑顔をいっぱいにして、独特のはにかんだような表情で語る人でした。
ディクサ氏は豪快な人で、大きな体と大きな声の腕の良い大工でしたので、周りの親族の中でも力を持ち、若者たちも従う強いお父さんでしたが、不器用なのか、男っ気がありすぎて無茶をするのか、よく仕事中に大怪我をしたりしていました。大きな体は腕力はあっても敏捷性にかけたのかもしれませんが、気をつけるということがあまりない性格だったのだといわれています。
オダ・ウキル亡き後の丘は、俺が面倒見るぞと、そう言ってくれて、私たちの丘に沢山のバナナの木を植えてくれていました。
ちょうど半年前のマニス・ガルンガンの朝、チュンパカの花を取るために庭の木に登り、昨夜の雨でぬれた木の枝に足を滑らせたのでしょうか、2メートルの高さから落ちて、首の骨を折ってしまったのでした。
奥さんの悲鳴で、ディクサ氏を運び、車で病院に連れて行ったのが主人とダダプでした。
そのときに、ディクサ氏は「これはもうだめだ、今度こそ俺は死ぬ。」と泣いていたそうです。
ほぼ10日間ほど、デンパサールのサンラ病院で、集中治療室に入っていました。
首から下はまったく麻痺していましたが、穏やかにお話をすることも出来、家族や沢山の人々の見守る中、ゆっくりと息を引き取ったのです。
家族も、村の人々も、あまりの急な別れに悲しんで、本当に大きな大きな穴が開いた気持ちになっていました。
でも、今はなんだか、見えないというだけで、相変わらずあの笑顔に包まれているという実感が現実に感じられるくらいまでになりました。
明後日は、ディクサ氏の長男の結婚式があります。おきなお父さんの息子たちは皆大きな体に大きな笑顔もそっくりで、ますます幸せそうなディクサ氏の笑顔の光が降り注ぐことでしょう。


ところで今日は、お人形を通してその作品と出会うことが出来ました、版画家の小泉美佳さんの作品を紹介させていただきます。
小泉様は手彫りの木版画で、まるでアンティーク・レースのように繊細な幻想的な世界を持っていらっしゃります。
まるで森の木漏れ日の下でまどろんでいると、つい入り込んでしまうエルフの国の風景のようです。
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そしてここからの作品は、私のお人形たちからインスパイアされたとおっしゃる作品ですが、子供たちの表情に引き込まれてしまうような、深い森の奥の木漏れ日や透明な空気の夜空に瞬く満点の星のような世界を感じます。宮沢賢治さんのお話の、特に銀河鉄道の夜の挿絵を描いていただきたいくらい・・・・。
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by ekadantaya | 2015-11-19 10:19 | Trackback | Comments(0)