10月24日、父の命日にちかちゃんと25年ぶりの再会。

私は昔から都市の風景がどうにも苦手で・・・休日は必ず植物のある風景の中でしか過さないというこだわりがありました。なので、私が都会の真ん中へ出かけていくというのは特別の用事、丸善の人ガタ展のみとなったこの頃。
昨日は父の命日、10月24日。2年前の昨日、他界した父の3回忌を今月13日に終えて、父の存在はより一層高く広い空から降り注ぐやさしい光のようになったこの頃。
私は25年ぶりに再会する友人と会うために、唯一知っている待ち合わせ場所、丸の内オアゾへと出かけて行ったのでした。
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その友人は忙しい人で、出張の合間に時間を作ってくれているので、ピッタリには来られないかなと買ったばかりの電子書籍をもってイタリアン・カフェで今か今かと現れるのを待つ・・・と、案の定お店に電話がかかってきて少し遅れると・・・・そうだろうなと思ったそばから、来ました来ました…あら~~~全く変わっていない~~~~!!!会ったそばからもう大学生に戻ってはしゃぐ2人。手を握り合って大騒ぎをしてしまった。
そして、もともとおしゃべりな2人はとめどなく、特に友人は磨きのかかったトークではじめっから流れる川のように今までに至るまで、その作品を通じて、走馬灯の如く彼の生き方を見せてくれたのです。
私は、お人形の写真をアルバムにして持っていき、その写真の人形と私の重労働者のおばあさんのような手が・・・友人に私の生きてきた過程を理解してもらう雄弁な資料となりました。
「その手!道代の手!」というので、見たらそのハンサムな友の顔がぱっと明るく光り輝く笑顔なので、何かな・・ともう一度自分の手を見たら働いてボロボロになったアバビ村のおばさんのしわしわの手・・・・それを私の勲章のように喜んでくれる友がいたなんてね。ちょっと、恥ずかしながら、でも嬉しかったな。
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全然変わらないよ~~全く昔の、20歳のまんまだよ~~~~と、言い合う二人を他人が見たら、どう見ても中年なのにおかしいんじゃないの・・と思うところですが、時に古い友人というものの間にはそういうことが起こるものです。時間は不思議なものです。
それでも、大学を卒業してからの30年という時間は、大変に大きかった。
大学時代には想像もしていなかった素晴らしい作品を見せてもらい、なんだか、ものすごく感激。
この絵はアクリル絵の具で手書きで描いた大きな絵だそうすが、今もこの絵を見ていると心がすうっと落ち着いてくる。
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 美しきもの

 穢れしもの

 愛すべきもの

 恐れるべきもの

 救いのまなざしは、それらを明確に映し出し

 我々に生きるすべを示す

(まなざし - 救済されし 2008)

このブログは大学時代の旧友も見てくれているので、この作者が誰だかちょっとなぞなぞ。
そうです、八重歯の可愛い、早口のあの子。写真を見るといつもうっちゃんと私と一緒に写っている、あのちかちゃん。「あっこちゃんのひ~みつみ~ちゃった。」の探求好きそうな美少年でしたから、私がつけたあだ名がちかちゃん。

ちかちゃんこと、村松和明さんでした!!(びっくりしたでしょう。)
 
永井画廊発行の作品集を頂いて、これはもう父の命日に最高の宝物を頂いた感じ。
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この作品集には個展の平面作品やその他さまざまな技法の平面、立体の作品と共に写真作品、そして大変読み応えのあるエッセイがぎっしり。
30年間・・・大変なものを吸収して大きくなってきたのね。
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村松くんの美しい書体で書かれたこの言葉は、アバビ村の私の部屋に貼っておきたいわ。
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芸術とは生きること
決して特別のことではなく
誰の日常の中にでもある。
技量や才能でもない。

世俗から身を解き放ち
澱み穢れることなく
湧き上がる力のままに
真直ぐに事をなす。

その瞬間に芸術は生まれる。
生きることが芸術になる。

        村松 和明(むらまつ やすはる)

1963年、愛知県岡崎市生まれ。武蔵野美術大学卒業。2003年、スペイン政府の給付により渡欧、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロを研究。研究論文をもとに構成されたNHKの特別番組「私が噂のダリである」が国際エミー賞(International Emmy Award 2006)にノミネートされる。企画した「村山槐多の全貌」展が、2011年美連協大賞・奨励賞を受賞。現在、岡崎市美術博物館学芸員。



大学を卒業してからすぐに郷里の岡崎で学芸員になった村松君、世界的な美術研究家として素晴らしい活躍をされて、10年前から制作を再開しています。

著書はAmazonから購入できます。
Amazon.co.jp: 村松和明:作品一覧、著者略歴
早速読んで、引き込まれてしまった。かなり、面白い推理小説並の村山塊多の絵の謎を解く話、そしてこれもまた今まで全く知られなかったダリの素顔について書かれた本・・・。面白すぎてどんどん読んでしまいます。

11月には岡崎で個展をされる予定です。永井画廊の個展には行けなかったけど、ご都合がつきましたら、ぜひお誘い合わせて、魂が清らかにじゃぶじゃぶ洗濯されるような・・・作品をぜひ見に行ってください。


村松和明展 不思議な梢 Four Elements

2014年 11月7日~30日
 金曜、土曜、日曜
 開廊時間 = 13:00~19:00
オープニングパーティー 11月7日(金)18:00~

THE BLUE BOX (ザ・ブルーボックス)
〒444-0022
愛知県岡崎市朝日町4-98
Tel : (0564)24-5884
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ところで、私もはっと気がつきましたら、お人形を作り始めて早5年。
作品は最近のものはやっとあ、ここかもしれない・・なんていう手ごたえが出始めて来ました。
特に、別れがつらかった・・・
TENちゃん
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ルリンウィルちゃん
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木の葉ちゃん
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ドルリルちゃん
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小鳥ちゃん
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蛍ちゃん
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Hannon Lee
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エミール・シンクレール
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Whoちゃん
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ロージーちゃん
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今回アルバムにしてみた子たちはすべて手元にはないのですが、というか、今かろうじて残っているのは母にあげた黒人の赤ちゃん2名とアバビ村にあるアンタレジャのみ・・・
たくさんのお人形を作っては手放し・・・もう何十体になるのでしょうか。
でもその中で、今もまだ別れに心が沁みる子は・・・・
やっぱり、TENちゃん
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さあ、残り3日となった里帰り。今回は歯と肩の治療、そうそう、目標の減量仕上げも成功、47キロをキープしていることも今回の成果。そして村松ちかちゃんとの再会。これはもう黄金の発見。うっちゃんと、マキちゃん、ありがとうね。
次の制作に向かって、心はまっすぐアバビ村に向かっています。
もちろん、子供たちと約束した日本のおいしいもので合計40キロいっぱいに膨らむはずの2つのトランクも、今日中に仕上げないと。
次の課題は、もう心の中にあります。
TENちゃんよりも少し大きな日本の女の子が、どうしても作りたい・・・。素敵な黒髪の人毛ウィッグも手に入りました。

それでは、今年の秋もたくさんの皆様にお世話になりました。
また来年、こんどはまたもう少し成長した作品と共にお目にかかれますように・・・。ちかちゃんに触発されて、また新たなお勉強が山積みです。
村松氏のエッセイの中で、ダリの言葉が私にはとても深く共感できました。
「芸術家にはそこでしか生きられない場所というものがある。別の場所では創造できないのだ。」
ふむふむ・・・それは私には、アバビ村のあの自宅だわ、と納得。

それでは、今度はアバビ村に帰ってからまたブログ更新します。

〆はニンニンとドラゴンの寝顔で・・・。おやすみなさ~い。
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by ekadantaya | 2014-10-25 13:14 | Trackback | Comments(0)